助産師コラム

助産師さんが働く場所 ~院内助産所と助産外来~


 全国の助産師さんは、一体どんな場所で働いておられるのでしょうか。2016年の厚生労働省の統計※1では、就業中の助産師さんは全国で約35000人です。その内の67.1%が病院、20.8%がクリニック、5.2%が助産所で勤務されています。また少数ですが、保健所や市町村、看護師等養成学校で勤務されている助産師さんもいらっしゃいます。病院やクリニックで、助産師さんの専門性を最も発揮できる場所はどこでしょうか。今回注目してみたいのは、病院やクリニックに設置されている「院内助産所」や「助産外来」です。では、院内助産所、助産外来は、助産師さんが働く場所としてどんなメリットがあるでしょうか。


【助産師さんと院内助産システム】

 ここでまず、院内助産所や助産外来の実施を支える「院内助産システム」について確認しておきましょう。

日本看護協会※2は、2011年から「院内助産システム」の推進を行っています。院内助産システムとは「病院や診療所において、保健師助産師看護師法で定められている業務範囲に則って、妊婦健康診査、分娩介助並びに保健指導(健康相談・教育)を助産師が主体的に行う看護・助産提供体制としての「助産外来」や「院内助産」を持ち、助産師を活用する仕組み」※3と定義されています。

院内助産システムが推進される背景には、安全な妊娠出産のために質の高いケアを提供するという目的があります。同時に、院内助産システムは「助産師さんを活用する仕組み」ですから、専門性を生かして働きたいという意欲にあふれる助産師さんにとってもメリットがあります。では、この院内助産システムは、実際どのように実施されているのでしょうか。

【院内助産所で専門性を発揮】

 産科病棟とも助産院とも異なる「院内助産所」は、助産師さんの専門性を発揮できる働き場所です。院内助産所とは「緊急時の対応ができる医療機関等において、正常経過の妊産婦の ケア及び助産を助産師が自立して行うもの」※4とあるように、病院やクリニックに設置されています。

院内助産所では、助産師さんが中心となって質の高いケアを提供できるというメリットがあります。また、助産師さんが主導して分娩介助を行うとはいえ、医師との連携が取りやすい環境にあるので、緊急時の対応がしやすいという面でも安心・安全なお産が提供できます。※3

院内助産所の設置割合が高いのは、周産期母子医療センターです。院内助産所を開設する医療機関は毎年徐々に増加しています。しかし、2016年時点での院内助産所の割合は、分娩取り扱い施設全体の12.7%に過ぎません。※2今後、院内助産所の普及は課題とされていますので、そこで働く助産師さんの需要もますます高まっていくと考えられます。

【助産外来で心のこもったケアを】

 院内助産所の設置とともに助産外来の開設も進んでいます。2016年の調査では、総合周産期母子医療センターや地域周産期医療センターの6割以上(181施設)で助産外来が実施されています。またその他の病院でも5割以上(177施設)が助産外来を行っています。

ご存知のように、助産外来とは「医療機関等において、外来で、正常経過の妊産婦の健康診査と保健指導を助産師が自立して行うもの」※4ですので、医師ではなく助産師さんが健診や指導を行います。

助産外来は、現場で高い評価を受けています。実際に助産外来で助産師さんによる健診を体験した妊婦さんによる評価※3では、質問しやすい・信頼できる・励まされるなどの声が、医師による健診の場合よりも高くなっています。このように助産外来は、助産師さんの持つ専門性と経験を生かした心のこもったケアを実践できる場所と言えます。

【アドバンス助産師さんの活躍】

 院内助産所や助産外来で活躍されている助産師さんの多くは「アドバンス助産師」※5の認証をお持ちかもしれません。アドバンス助産師とは「自立して助産ケアを提供できる」ことを認証する助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)のレベルⅢをクリアしている助産師さんのことです。アドバンス助産師の認証試験は2015年に開始され、2年後の現在、全国に11002人(全就業助産師さんの32.4%)のアドバンス助産師さんがいらっしゃいます。※6

すでにアドバンス助産師の認証を得ている助産師さん、これから申請をなさるという助産師さん、それぞれいらっしゃると思います。アドバンス助産師の認証がなくても、現場経験がそのスキルを実証している助産師さんはたくさんおられます。ただし、助産スキルの客観的な評価基準として厚生労働省や日本看護協会はアドバンス助産師の普及を推奨しています。アドバンス助産師の認証をお持ちですと、転職などの時にスムーズにご自身のスキルを伝える助けになるかもしれません。

【助産師さんの働く場所は増えるばかり】

 院内助産院と助産外来は、働く場所としての見通しは明るいでしょう。東京都でも今年、院内助産所や助産外来の開設を促進する取り組みとして、医療機関を対象にした研修を行っています※7。
今後、助産師さんが専門性を発揮して働ける場所がますます増えていくことが期待できます。

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※1 厚生労働省「就業保健師等の年次推移」
※2 日本看護協会「院内助産・助産外来推進のための取り組み 平成29年度重点政策・重点事業(助産関連) について」
※3 日本看護協会「周産期医療体制における 助産師の活用」
※4 厚生労働省「院内助産所・助産師外来について」より引用
※5 日本看護協会「括包括的母子保健推進における看護機能の強化」
※6 日本助産評価機構
※7 東京都福祉保健局

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