助産師コラム

助産師さんの転職事情 ~助産師さんの抱える悩みを考える~


 2012年に厚生労働省が発表した資料※1では、現役の助産師さんの3割に離職願望が見られたそうです。実際、様々な理由から離職・転職をする助産師さんは少なくありません。では、多くの助産師さんが離職し転職を図る背景には、どのような事情があるのでしょうか。現役の助産師さんは、どのような悩みを抱えているのか。助産師さんが良い転職をするにはどうすればいいでしょうか。

この記事では、年齢や女性のライフサイクル、心身の健康という観点から、助産師さんが抱えやすい悩みと転職について考えます。


【仕事と家庭の両立】

 2016年の現職の助産師さんの年齢別就業数※2を見ると、25歳~49歳の方の割合が全体の7割以上を占めています。現職の助産師さんの多くは、女性のライフサイクルの中で最も忙しい時期に、仕事でも重責を担っているということになります。

また「女性の労働参加と性別分業」という論文※3の中では、女性の就業率が年々増加しているにもかかわらず、家庭内での家事負担が相変わらず女性に大きく偏っていることが指摘されています。就業女性と就業男性の家事分担を比較すると、食事の用意・あと片付け・買い物・洗濯・そうじなどすべての家事作業において、就業女性の負担が圧倒的に大きいことは明らかです。

こうした点を考え合わせると、結婚後、出産後にも仕事を継続している助産師さんの多くが、「仕事と家庭の両立」という悩みを抱えていることが推測できます。助産師の仕事は続けたいけれど、家事が十分にできない、夫や子供の世話をする時間が足りない、などの理由から離職や転職を考えざるを得ないという助産師さんは多いかもしれません。

【体の不調や精神的なストレス】

 長年仕事を続けている助産師さんの中には、配偶者や子どもの有無に関わらず、心の健康や身体の健康という問題にぶつかる方もいらっしゃるかもしれません。

・誰もが感じる体力の衰え
ご存知のように、病気がなく健康ではあっても、20代をピークに女性の体力は下降していきます。また、助産師さんの業務には忙しく動き回ったり、力仕事、中腰の姿勢で行う作業など体力を消耗する仕事が多くあります。慢性的な腰痛に悩まされたり、仕事の疲れがなかなか取れない、などの悩みを抱える助産師さんは多いのではないでしょうか。

・中堅助産師さんが経験する役割ストレス
助産師さんの仕事内容は、専門性が高いのが特徴です。専門家として業務上の役割を果たすときに、精神的なストレスを抱えることがあります。特に勤続年数3~5年の中堅助産師さんは、ご自身の仕事の能力や役割に関して悩む傾向があるようです。

「中堅看護師の離職意図の要因分析」※4という論文の中では、中堅看護師さんの離職の大きな理由の一つに「役割ストレス」を挙げています。この役割ストレスとは、中堅看護師さんに求められる業務に起因するストレスを指します。例えば、「リーダーシップを発揮し看護の質を向上させるよう期待されることへの負担感」などがこれに該当します。もしかすると、思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。

また、ある年の看護職員実態調査※5の中では、4割以上の助産師さんが、「能力を超える仕事をしなければならない」ことが、業務上の悩みであると回答しています。つまり、自分の能力と実際に求められる業務とのギャップに悩む助産師さんは少なくないということです。

【良い転職を果たすには】

 ここまで見てきたように、家庭や健康、精神的ストレスなどの悩みを抱える助産師さんは少なくありません。悩みを抱えたまま今の職場で仕事を続けたほうがいいのか、それとも思い切って離職・転職したほうがいいのか、どちらでしょうか。

日本助産師会ビジョン2025※6の中では、優れた人材の育成を推進するためには「離職の防止対策の強化が必要」であると述べています。これは離職・転職をすると、助産師さんの経歴やスキルにとってマイナスになるということかというと必ずしもそうとは限りません。

離職後に良い転職先を見つけることができれば、逆境をプラスに変えることができます。おススメは、継続して教育を受けたり、技術面でもスキルアップを図れるような転職先です。転職をきっかけにスキルアップを図っている助産師さんは大勢いらっしゃいます。また、やりがいを感じられる職場環境を重視して転職先を選ぶならば、業務上のストレスにも対処しやすくなり、長期的に見て良い転職となります。

また、思い切って日勤のみや非常勤として、業務の負担の少ない職場へ転職することは、決してマイナスではありません。悩みが解決しないまま無理なペースで仕事を続けた場合、家庭の問題が深刻化、心身の健康が悪化、モチベーションが低下するなど、悩みがさらに大きくなりかねません。どのような勤務形態であれ、資格を生かして助産師さんの仕事を続けていること自体が、素晴らしい社会貢献となります。


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もし、悩みを抱えている助産師さんがいらっしゃったら、是非一度面談へお越しください。

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※1厚生労働省「第 7 章 助産師の就業継続意思、ライフサイクルと就業状況 」
※2厚生労働省「(1) 就業保健師等の年次推移」
※3筒井淳也 (立命館大学教授「女性の労働参加と性別分業」2
※4瀬川有紀子ほか「中堅看護師の離職意図の要因分析」
※5日本看護協会「日常業務上ぶつかる悩みと看護の倫理」
※6日本助産師会「日本助産師会ビジョン2025」

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